この活動レポートでは、北但大地震復興100年記念プロジェクトとして実施した3日間の学びと対話の様子を紹介します。子どもたちの成長やテーブルファシリテーターの関わり、地域の大人たちの想いが交差した時間をまとめています。
【活動レポート】2024.12.28~30
城崎の雪とともに始まった、未来を描く3日間
— 北但大地震復興100年記念プロジェクト「町の未来を創る子どもの教育」—
兵庫県・城崎温泉の町に雪が降り始めた12月末。
北但大地震から100年という節目に、地域の未来を担う子どもたちと、彼らを支える大人たちが集まりました。私たち未来共創イノベーションは、教育部会の皆さんとともに、この3日間の学びと対話の場づくりをサポートしました。
◆1日目(12月28日)
地元の高校生・大学生が「明日の子どもたちの未来」を先に体験する夜
初日は、翌日からテーブルファシリテーター(TF)として子どもたちを支えてくれる地元の高校生・大学生6名が集まりました。彼らには、子どもたちが体験するワークの一部を事前に体験してもらいます。
- 自分の感情と価値観を知るワーク
- 答えのないテーマでのグループディスカッション
- そして翌日からのアイスブレイクの企画づくり
最初は緊張していた表情が、ワークを進めるうちに少しずつほぐれていきました。
「自分の価値観を言葉にするのって難しいけど、面白い」
「明日、子どもたちがどんな反応をするか楽しみ」
そんな声が自然とこぼれ、場の空気が柔らかくなっていきました。
TFたちは、子どもたちが安心して参加できるようにと、フルーツバスケット、ハンカチ落とし、ジェスチャーゲームなど、年齢差があっても楽しめる遊びを自分たちで考え、担当を決めていきました。
この夜、彼らの中に「自分たちが場をつくるんだ」という小さな火が灯ったように感じました。
◆2日目(12月29日)
雪の朝、15名の子どもたちと6つのチームが動き出す
翌朝、城崎の町はしんしんと雪が降り始めていました。
小学校5年生から中学3年生までの15名が保育園に集まり、6名のTFとともに6つのチームに分かれてワークがスタート。
午前のアイスブレイクは、TFが前夜に考えた内容。年代も学校も違う子どもたちが、笑いながら走り回り、自然と距離が縮まっていきます。TFたちが自分のチームを気にかけながら、声をかけ、盛り上げ、時に寄り添う姿がとても頼もしく見えました。
その後は、プログラムに沿ってワークが進みます。
- 自分の感情と価値観を知る
- 多様な視点を知る対話
- 自分の軸を見つける
- 共創力とリーダーシップを育む学び
- 1日の振り返り
子どもたちは、普段の学校生活ではなかなか触れないテーマに向き合いながら、
「自分ってこういうところがあるんだ」
「人によって大事にしているものが違うんだ」
と、少しずつ言葉にしていきました。
TFたちもまた、子どもたちと同じように自分の未来を考え、真剣にワークに取り組む姿が印象的でした。
◆3日目(12月30日)
未来を描き、行動計画をつくり、そして発表へ
最終日は、未来のビジョンを描くワークから始まりました。
「将来こんな仕事をしてみたい」
「地域のためにこんなことができるかも」
「家族を大事にしたい」
自分の未来を視覚化していきます。
午後は発表準備とリハーサル。
TFたちは、緊張している子に寄り添い、言葉を引き出し、まとめるサポートをしてくれました。
そして迎えた保護者向け発表会。子どもたちの言葉はどれもまっすぐで、聞いている大人の胸に響くものでした。
2日間の学びを振り返りながら、自分の未来を語る子どもたちの姿に、会場は静かに耳を傾けていました。
最後の発表が終わった瞬間、胸の奥がじんわりと熱くなるような、そんな時間でした。

◆地域の大人たちの熱量と、私たちの役割
今回のプロジェクトは、北但大地震復興100年記念プロジェクト委員会の教育部会の皆さんが中心となり、熱く、温かく支えてくださいました。
「子どもたちの未来を本気で応援したい」
その想いが、場のあちこちに溢れていました。
私たち未来共創イノベーションは、地域を“変える主体”ではありません。
未来を決めるのも、続けていくのも地域の皆さんです。
私たちの役割は、共創が生まれる初期条件を整えること。
問いが残り、火守りが育ち、自走が始まったとき、静かに一歩引ける存在でありたいと考えています。
帰りの特急電車の中で、赤井ちゃんと話しました。
「やっぱり、私たちがずっと支えるのではなく、地域が自分たちで続けられる仕組みを渡したいよね」
この3日間は、その方向性を再確認する時間にもなりました。
■この3日間のプログラムを通して、子どもたちは自分の価値観や未来への思いを言葉にし、仲間との対話を通じて新しい視点を得ていきました。また、TFとして参加した高校生・大学生にとっても、子どもたちを支える経験は大きな学びとなり、自分自身の未来を考えるきっかけになりました。地域の大人たちが子どもたちの挑戦を温かく見守り、共に未来を描く姿は、この町の力強さそのものです。今回の取り組みが、地域の学びと共創の文化を育む一歩となることを願っています。

