次世代向けワークショップ2025夏 in 城崎

【活動レポート】2025.8.8~10

お盆前の城崎で生まれた、世代をつなぐ夏の学び

— 北但大地震復興100年記念プロジェクト「町の未来を創る子どもの教育」—

お盆前の城崎温泉は、夏の観光シーズンを前に、町全体が少しずつ忙しさを帯びていく時期です。
旅館や商店を営む家庭が多いこの地域では、子どもたちが比較的参加しやすいのが、この“繁忙期直前”のタイミング。そして、大学生たちが帰省してくる貴重な時期でもあります。

そんな地域のリズムに寄り添う形で、今年も「未来を描く2日間」のワークショップが開催されました。
会場は地域の振興会館。5つのテーブルに分かれ、子どもたちとテーブルファシリテーター(TF)が共に学び合う夏の場が始まりました。


◆1日目

継続メンバーと新メンバーが混ざり合う、8名のTFチーム

今回のTFは8名。
前回から継続して参加してくれた大学生2名・高校生1名に加え、社会人2名、高校生2名が新たに加わりました。

継続メンバーが場の雰囲気をつくり、新メンバーが新しい風を吹き込む。
世代も背景も違う8名が、自然に役割を分担しながら場を支えていく姿は、まさに“地域の未来の縮図”のようでした。


◆チェックインと哲学対話

「みんなって何?」「普通って何?」

答えのない問いが、子どもたちの言葉をひらく

1日目の午前、椅子だけで円になって座り、「朝何食べた?&自己紹介」からスタート。

最初はいつも緊張感が漂う・・そのあとのTFのアイスブレイクで一気にほぐれていく。

今回も行ったのが「哲学対話」。
テーマは「みんなって何?」「普通って何?」。

押すだけで円になって座り、クッションボールを使って話したい人が手を挙げ、ボールを受け取って話す。
誰もが話せて、誰もが聴いてもらえる、やさしい円ができていました。

最初は、答えのない問いに戸惑う子もいました。
「正解を言わなきゃいけないのかな…」という空気が少しだけ流れた瞬間もありました。

でも、
「ここは答えを出す時間じゃないよ」
「思ったことをそのまま言っていいよ」
とTFが声をかけると、少しずつ言葉が増えていきました。

「普通って、人によって違うよね」
「“みんな”って言うけど、ほんとはみんな違うよね」

気づけば、時間が足りないほど盛り上がり、
「今日一番楽しかったのは哲学対話!」
と話す子もいました。


◆急遽追加された“自己肯定感アップ”ワーク

子どもたちの言葉から見えた「自己肯定の弱さ」

ワークを進める中で、子どもたちの話す内容から、
「自己肯定する力が弱いかもしれない」
という共通点が見えてきました。

昼休憩のとき、赤井ちゃんと顔を見合わせ、
「これは今、必要だよね」
と急遽プログラムを変更し、“自己肯定感アップ”のワークを実施。

一人ひとりの良いところを、周りのメンバーが付箋に書いて体に貼っていく。
貼られた言葉を読み上げながら、自分の紙に貼り直していく。

「こんなふうに思ってくれてたんだ」
「うれしい…」

会場が一気に明るくなり、笑顔があふれ、拍手が起き、
その場の空気がふわっと軽くなる瞬間がありました。

このワークは、今回の2日間の中でも特に印象的な時間になりました。


◆アイスブレイク「〇クイズ」

初参加の社会人TFがつくった“地元愛あふれる問題”

今回初めてTFとして参加した社会人2名が担当したのが、
「城崎温泉エリア〇✕クイズ」。

  • 城崎の歴史
  • 地元の名物
  • 温泉街の豆知識

など、地元ならではの問題が並び、子どもたちは大盛り上がり。
驚いたのは、子どもたちが地元のことを本当によく知っていたこと。
「地元愛、すごいな…」と感じる場面が何度もありました。


◆2日目

ほめほめバトン、レゴ、10年後の自分

未来を描く時間が、子どもたちの表情を変えていく

2日目は、ほめほめバトンからスタート。
隣の人を褒め、ボールを渡し、また褒められる。
照れながらも、嬉しそうに笑う子どもたちの表情が印象的でした。

その後は、レゴを使った創造ワークや、10年後の自分を描くワークへ。
色ペンや雑誌を使いながら、自分の未来を言葉と形にしていきます。

「将来こんなことがしたい」
「こんな大人になりたい」

子どもたちの言葉はどれもまっすぐで、聞いている大人の胸に響くものでした。


◆発表会とチェックアウト

2日間の積み重ねが、ひとつの言葉になる瞬間

午後は発表準備、リハーサル、そして本番。
緊張しながらも、自分の言葉で未来を語る子どもたち。
TFたちはそばで支えながら、時に励まし、時に背中を押していました。

最後のチェックアウトでは、
「楽しかった」
「もっと話したかった」
「また来たい」
という声が自然とあがり、2日間の学びが確かに積み重なっていたことを感じました。


◆地域の中で育つ“火守り”たち

未来共創イノベーションとしての気づき

今回の夏のワークショップでは、
継続メンバーが“火守り”として場を支え、
新しいメンバーが自然に加わり、
地域の中で学びの循環が生まれていることを強く感じました。

私たちは地域を変える主体ではありません。
未来を決めるのも、続けていくのも地域の皆さんです。
私たちの役割は、共創が生まれる初期条件を整えること。

今回の2日間は、まさにその“初期条件”が地域の中で育っていることを実感する時間でした。