次世代向けワークショップ2025冬

【活動レポート】2025.12.19~21

雪の城崎で育つ、未来へのバトン

— 第3回「町の未来を創る子どもの教育」冬のワークショップ —

年末の城崎温泉は、冬の冷たい空気と温泉街の湯気が混ざり合い、静けさの中にあたたかさが漂う季節です。
そんな冬の城崎で、今年も「未来を描く2日間」のワークショップが開催されました。

今回の冬の回は、これまでの積み重ねが形になり始めたことを強く感じる時間でした。
継続して参加してくれるテーブルファシリテーター(TF)の存在、地域の大人たちの関わり、そして新たな助成事業の採択。
“地域が自分たちで未来をつくっていく”という流れが、確かに動き始めていました。


◆継続の力が見えたTFチーム

初回からの3名、前回からの高校生2名、そして——初回の参加者がTFに

今回のTFは、これまでで最も象徴的なメンバー構成になりました。

  • 初回から参加し続けてくれている3名
  • 前回から2回目の参加となる高校生2名
  • そして、初回の参加者だった中学生が、高校生になってTFとして戻ってきた

この“戻ってきた”という事実は、私たちにとって本当に嬉しい出来事でした。

自分がかつて体験した学びを、今度は誰かに渡す側になる。
その姿は、まさに未来共創イノベーションが大切にしてきた「火守り」が育つ瞬間でした。


◆1日目

自己紹介とアイスブレイクからのスタート。

その後、価値観を知るワーク、対話、意思決定の軸を見つけるワークへと続きました。
子どもたちは、普段の学校生活では触れないテーマに向き合いながら、
「自分ってこういうところがあるんだ」
「人によって大事なものが違うんだ」
と、少しずつ言葉を紡いでいきます。

TFたちは、子どもたちの言葉を丁寧に受け止めながら、寄り添い、背中を押していました。


◆未来を描く時間を「10年→15年」へ

想像の幅が一気に広がった理由

今回から、未来を描くワークの設定を「10年後」から「15年後」に変更しました。

小学校5年生にとって10年後は大学生。
まだ“現実の延長線”にあり、想像が近すぎる。
そこで、あえて15年後にすることで、
「普段は考えない未来」
「制限のない未来」
を描けるようにしました。

この変更がとても良くて、子どもたちのビジョンが一気に広がりました。

  • 海外で働きたい
  • 自分のお店を持ちたい
  • 地域のためにこんなことがしたい
  • 家族を大切にしたい

15年という時間が、子どもたちの想像力を自由にし、未来を語る言葉に深みを与えていました。


◆地域の大人が“昼休憩だけ”でも駆けつける

旅館の料理人である前回のTFが2日間とも参加してくれた理由

今回、前回参加してくれた社会人TFの一人が、どうしても仕事の都合でフル参加はできませんでした。
それでも、「昼休憩の3時間だけなら行ける」
と、2日間とも会場に駆けつけてくれました。

彼は旅館の料理人。
忙しい年末の中、わずかな休憩時間を使って子どもたちのワークに参加し、場を盛り上げてくれました。

その姿は、他のTFにとっても、子どもたちにとっても、そして私たちにとっても大きな励ましでした。

「地域の未来を本気で考えている大人がいる」
その存在が、場の空気を確かに変えていました。


◆助成事業の採択と、プロカメラマンの参加

“記録に残す”という新しい挑戦

今回の冬の回から、北但地震復興プロジェクトのサポートが一区切りし、
新たにデロイト トーマツ ウェルビーイング財団、第5回「コレクティブ・インパクトによる社会課題解決の推進」助成事業に採択されました。

この助成金を使い、今回は京都からプロのカメラマンに来てもらい、
TFの事前ミーティングから2日間のワークまで、すべてを記録してもらいました。

  • TFがどんな思いで地域に関わっているのか
  • 実行委員メンバーが何を大切にしているのか
  • この取り組みが地域にとってどんな意味を持つのか

外部に丸投げするのではなく、
「自分たちの地域の未来を、自分たちでつくりたい」
という思いを持つ人たちに届くような動画や資料をつくるための、大切な一歩です。


◆2日目

未来を描き、行動計画をつくり、そして発表へ

2日目は、未来のビジョンづくりからスタート。
15年後の自分を描くワークでは、子どもたちの表情がどんどん明るくなっていきました。

午後は発表準備とリハーサル。
TFたちは、緊張している子に寄り添い、言葉を引き出し、まとめるサポートをしてくれました。

そして迎えた発表会。
子どもたちが自分の未来を語る姿に、会場は静かに耳を傾けていました。
その姿は、冬の静けさの中で、確かに未来へ向かう光のようでした。


◆未来共創イノベーションとしての気づき

“地域が主役”が、確かに動き始めている

今回の冬の回は、これまでの積み重ねが形になり始めたことを強く感じる時間でした。

  • 初回の参加者がTFとして戻ってくる
  • 社会人が忙しい中でも関わり続ける
  • 助成事業に採択され、記録を残すフェーズへ
  • 実行委員会の皆さんが本気で未来を考えている

私たちは地域を変える主体ではありません。
未来を決めるのも、続けていくのも地域の皆さんです。
私たちの役割は、共創が生まれる初期条件を整えること。

今回の冬のワークショップは、
“地域が自走し始めている”
その確かな手応えを感じる時間でした。